ミステリー大バビロンとはアメリカ合衆国であるか

2020/12/07

大バビロン

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ヨハネの黙示録に登場する「大バビロン」の崩壊は、同書18章8節において極めて壊滅的な様相として描写されている。「それゆえ、一日のうちに、さまざまの災いが、死と悲しみと飢えとが彼女を襲う。また、彼女は火で焼かれる。彼女を裁く神は、力ある主だからである。」本稿では、これほどまでに徹底的な審判が下される歴史的・構造的背景を探るとともに、その預言的実体について地政学的観点から検証を行う。


現代の国際社会において、超大国アメリカ合衆国は終末期における最大の覇権国として君臨し、全地球規模の支配力を有している。既存のキリスト教諸教会の一部には、聖書預言の中にアメリカの存在を見出せないとする見解もあるが、これは解釈の限界と言わざるを得ない。サウジアラビア(メッカ)、バチカン(ローマ)、あるいは古代バビロニアの版図であるイラクといった諸地域と比較しても、現代の米国が有する圧倒的な影響力は群を抜いている。この地政学的優位性こそが、同国を黙示録の「ミステリー(秘められた意味の)大バビロン」たらしめる有力な根拠となる。

神の審判の優先順位は、中国やイランといった非キリスト教圏よりも、むしろキリスト教文明の擁護者を自認しつつ「バビロンの霊」の発祥地となった米国に向けられると考えられる。これは「さばきが神の家から始められる時がきた」(ペテロの第一の手紙 4:17)という聖句の原則に合致する。歴史上、神は不義なる世界帝国を例外なく排斥してきた。では、黙示録において「大いなる都(都市)」と比喩的に表現されるこの国家は、具体的にどのような構造を有しているのだろうか。

また、「預言者と聖徒たちの血の罪が彼女の中に見出された」という記述は、過去の歴史的峻拒から未来の終末的局面に至るまで、いかにして成就するのだろうか。

米国が終末における「ミステリー・バビロン」の本質を体現しているからといって、信仰者が過度な恐怖に陥る必要はない。

この大バビロンの壊滅の予兆として、天の基盤を構成する真のキリスト教徒の殉教が極点に達し、神による公義の報復としての審判が執行されることとなる。

象徴としてのバビロン:地政学的超大国に秘められた意味

多くのクリスチャンは、米国が現代の世界覇権国であるという事実を認めつつも、聖書解釈の文脈からは除外するか、あるいは「キリスト教精神に基づく最良の国家」として理想化する傾向がある。

聖書記述がダマスカス、ニネベ、エジプト、バビロンといった中東の都市に言及していることから、預言の射程を中東地域に限定する近視眼的な言説は少なくない。例えばシオニスト系言説の中には、現代のイスラエル共和国を神の約束に基づく絶対的な本質と誤認する構造が見られる。

しかし、旧約の預言者や黙示録の筆者ヨハネは、遥か未来における「西洋的覇権システム」の特質を極めて正確に予見していた。

黙示録の記述にある「ミステリー・バビロン(秘められた意味の名)」という表現は、これが文字通りの古代イラクの地を指すのではなく、象徴的な世界システムを意味している証左である。この秘められた暗号を解読するためには、終末期において全地球を資本主義的システムで覆う現代の超大国へ視点を移さねばならない。

物理的な地理空間としての古代バビロン遺跡は、今日においてもイラク国内に荒野として存続している。これに対して、黙示録が描写する「大バビロン」は、極めて物質的繁栄を極めた「宝石のように輝かしい都市(国家構造)」として定義されている。

黙示録17:4 女は紫と赤の衣を着て、金と宝石と真珠で身を飾り、忌まわしいものや、自分のみだらな行いの汚れで満ちた金の杯を手に持っていた。 5その額には、秘められた意味の名が記されていたが、それは、「大バビロン、みだらな女たちや、地上の忌まわしい者たちの母」という名である。 6わたしは、この女が聖なる者たちの血と、イエスの証人たちの血に酔いしれているのを見た。

黙示録18:15「不幸だ、不幸だ、大いなる都、 麻の布、また、紫の布や赤い布をまとい、 金と宝石と真珠の飾りを着けた都。 17あれほどの富が、ひとときの間に、 みな荒れ果ててしまうとは。」

イザヤ21:19 バビロンは国々の中で最も麗しくカルデア人の誇りであり栄光であったが神がソドムとゴモラを覆されたときのようになる。20もはや、だれもそこに宿ることはなく代々にわたってだれも住むことはない。アラブ人さえ、そこには天幕を張らず羊飼いも、群れを休ませない。21かえって、ハイエナがそこに伏し家々にはみみずくが群がり駝鳥が住み、山羊の魔神が踊る。

エレミヤ50:12 お前たちの母、産みの親であるバビロンはうろたえ、恥を受ける。見よ、国々の最後のものであるバビロンは乾いた荒れ野、荒れ地となる。13主の憤りによって、住む者はいなくなりすべてが廃虚となりバビロンのそばを通る者は皆、恐れその破壊を見て嘲る。

現在のイラク地域に位置する旧バビロンは完全なる廃墟(荒野)であり、黙示録が記述する、全世界の羨望の的となる高度な先進文明・大都会としての「ミステリー・バビロン」の描写とは完全に乖離している。むしろこの聖句は、極限まで発達した経済社会システムを指し示している。

しかし、エレミヤ書が予告する通り、この現代のグローバル・システムの中枢もまた、最終的には不可逆的な崩壊の運命を辿ることになる。

したがって、この対象が終末期における唯一の超大国である米国を指していると結論づけることは極めて合理的である。

ダニエル書に記述されたネブカドネザルが見た巨像の夢が示す通り、歴史は一貫して人間の傲慢な帝国の興亡を繰り返してきた。米国が今日まで破滅を免れているのは、その内部に真の信仰者や良識ある市民が残存しているためである。しかし、彼らへの組織的迫害が極点に達し、終末の「七つのラッパ」および「神の怒りの鉢」が注がれる時、この強大組織の物理的存続は不可能となる。

「神の家からの審判」という絶対原則に照らせば、キリスト教国家を標榜しながらその精神を資本の論理で汚染した国への裁きは、より厳格かつ不可避なものとなる。

重ねて強調するが、「ミステリー・バビロン」の本質は地理的なイラク地方にはない。黙示録18章10節の「大いなる都」という表現は、聖書預言の文脈においてしばしば「国家体制そのもの」の換喩として機能する。エホバの証人などが主張するような単純な「偽りの宗教組織の集合体」という抽象的概念に限定されるものではない。

エレミヤ50:32 傲慢な者はよろめき倒れ助け起こす者はいない。わたしはその都市(cities)に火をつけ火は周囲のすべてのものをなめ尽くす。

エレミヤ書がバビロン帝国を「都市(複数形)」と表現したように、巨大な国家構造を都市システムとして描写することは聖書記述の通則である。これは現代において、圧倒的な物質的繁栄と高度なインフラを誇るグローバル先進国をダイレクトに指し示している。

大水の上に君臨する女王:世界的物流と海洋覇権の中枢

黙示録17:1 災害をぶちまけた七人の天使の一人が、私に近づき、こう話しかけました。「ついて来なさい。地の大水の上に座っている悪名高い淫乱な女がどんな目に会うか、お見せしましょう。 2世の王たちはこの女とみだらな関係を結び、世界中の人々も、この女の不品行のぶどう酒に酔いしれました。」

「大水の上に座る」という表現は、聖書的解釈において「諸民族、諸国民、諸言語の混沌(17章15節)」の統治を意味すると同時に、地政学的な「海洋覇権」を握る世界帝国の姿を内包している。また、予言文学における「不名誉な女」とは、神との信義を裏切った背信的な国家を象徴している。

黙示録18:17 あれほどの富が、ひとときの間に、 みな荒れ果ててしまうとは。」 また、すべての船長、沿岸を航海するすべての者、船乗りたち、海で働いているすべての者たちは、遠くに立ち、 18彼女が焼かれる煙を見て、「これほど大きい都がほかにあっただろうか」と叫んだ。 19彼らは頭に塵をかぶり、泣き悲しんで、こう叫んだ。 「不幸だ、不幸だ、大いなる都、 海に船を持つ者が皆、 この都で、高価な物を取り引きし、 豊かになったのに、 ひとときの間に荒れ果ててしまうとは。」

世界中の商船の従事者たちがその破滅を絶望とともに凝視している描写は、この大バビロンが強大な「広域港湾・貿易国家」であることを示している。古代イラクのバビロンにはこれほどの海洋貿易インフラは存在し得なかった。

黙示録18章11-13節(次項参照)に詳述される多種多様な交易品目は、ミステリー・バビロンが全地球規模のサプライチェーンの中心に位置する「絶対的輸入大国」であることを実証している。莫大な富が海上流通を経由してこの国に集約されるという構図は、現代のグローバル経済システムそのものである。

これほどの規模の物流量を維持するためには、超大型コンテナ船が往来する広大な港湾設備と、底知れない購買力を有する消費構造が不可欠となる。この観点から見れば、交易範囲が地中海文明圏に限定され、近代的な海洋ロジスティクスを持たなかった「一世紀のローマ帝国」を大バビロンの完成体とする解釈は完全に排斥される。

バチカン、エルサレム、あるいは中東の旧バビロン遺跡のいずれも、世界全域の流通を掌握する港湾能力や市場構造を具備していない。船荷の莫大な集積による地球規模の経済支配という描写に合致するのは、近代以降の英米覇権体制、とりわけ現代の米国以外には存在しない。

さらに、交易品目の中に「馬車、奴隷、人間」が並置されている点は極めて重要である。これは現代における自動車産業のグローバルな覇権のみならず、先住民(ネイティブ・アメリカン)の排斥・虐殺、大西洋奴隷貿易による黒人搾取、そして現代社会の暗部である国際的な人身売買や性的搾取の構造的蔓延を象徴しており、神の公義がこれを見過ごすことは決してない。

膨大な物質的交易を媒介として世界を経済支配するその姿は、単なる宗教的セクトではなく、ローマ・カトリック的な権力統合のパラダイムを高度な世俗的資本主義へと昇華させた「複合的帝国システム=アメリカ合衆国」を指し示しているのである。

経済的・軍事的ヘゲモニーと「バビロンの霊」の世界的浸透

ミステリー・バビロンの本質は、地上の君王たちを統制する「経済的・軍事的な絶対優位性」にある(黙示録17:18; 18:18)。この中枢システムが突如として機能不全に陥ることは、世界経済全体の連鎖的破綻を意味し、全地球的な構造崩壊(ハルマゲドンの前哨)を引き起こすこととなる。世界中の供給者たちは、最大の需要先(金の成る木)を失うことで絶望を余儀なくされる(黙示録18:11)。

現実の国際秩序において、米国が主導するドル基軸通貨体制(国際通貨ヘゲモニー)と新自由主義的なグローバル資本主義は、まさに全世界の経済活動のOSとして機能している。米国の圧倒的な購買力と過剰な消費主義こそが、他国を経済的に従属させる最大の装置である。

このシステムが破局を迎える直前、世界帝国は神の怒りの杯による裁きを被ることになり、その後、覇権なき世界で狂乱した諸国家連合が最終的な権力統合を図り、キリストの統治権に対して絶望的な抵抗(反キリスト戦線の形成)を試みることになる。

黙示録17:14 彼らは子羊と戦いますが,子羊は主の中の主,王の中の王ですから,彼らを征服します。子羊と共にいる者たち,招かれ,選ばれた忠実な者たちも,征服します」。

世界各国の市場や統治機構が、この大バビロンの提示する多国間条約や国際秩序に深くコミットしている実態は、米国の多国籍企業資本主義による全地球支配の構図に極めて正確に合致する。

ハバクク2:5 そのうえ、このおごり高ぶったカルデヤ人は、 自分たちのぶどう酒によって裏切られる。 ぶどう酒は人を欺くものだからだ。 彼らは貪欲で、多くの国をかき集めてきたが、 まるで死や地獄のように、決して満足しない。

ミカ2:11 だれかが歩き回って、空しい偽りを語り 「ぶどう酒と濃い酒を飲みながら お前にとくと預言を聞かせよう」と言えば その者は、この民にたわごとを言う者とされる。

預言書における「不当なぶどう酒」とは、自己の支配体制を正当化するために構築された歪んだ法秩序、実証主義、あるいは物質主義的な現代哲学の隠喩である。

米国を源泉とする資本主義的リベラリズムは、「抑制なき自己実現」「極限の不道徳の容認」「消費至上主義のエンターテインメント」を自由の名の下に肯定し、これを「バビロンの霊(精神)」として全世界にエクスポートした。この文化・思想的帝国主義による悪影響は、地球上のあらゆる文化圏を汚染し、支配下に置いている。

聖書は、この全地球規模のナルシシズムと精神的酩酊状態の蔓延を的確に告発している。

また、「多くの国をかき集める」という記述通り、米国は全世界に軍事基地(グローバル・ポスチャー)を配置し、外交的・軍事的圧力によって他国の主権を実質的に統制してきた。さらに人口構造の観点からも、同国は「人種のるつぼ(メルティング・ポット)」や「サラダボウル」と称されるように、全地球の全人種・民族を自国内に包摂・吸収しており、ハバクク書の解釈と驚くべき符合を見せている。

このように全人類の縮図を内包しつつ、世界中にその資本主義的システムを強制する米国の動向には、神学的に最も注視すべき意義がある。

イザヤ29:9 ためらえ、立ちすくめ。 目をふさげ、そして見えなくなれ。 酔っているが、ぶどう酒のゆえではない。 よろめいているが、濃い酒のゆえではない。10主はお前たちに深い眠りの霊を注ぎ お前たちの目である預言者の目を閉ざし 頭である先見者を覆われた。

米国はキリスト教精神を建国の理念としながらも、その内実においては「大艱難前携挙説」や「ディスペンセーション主義」といった現世逃避的な解釈を妄信する信徒を量産した。1948年の現世イスラエル建国を無批判に預言の完全成就と同一視するに至るまで、彼らの霊的・神学的洞察力は盲目化されている。

多くの米国人解釈者は、大バビロンの正体を中東や欧州の異教勢力に帰せようとするが、聖書が記述する大バビロンの諸特徴(超資本主義、文化的堕落、世界支配)は米国自身の構造そのものである。サタンの策略は、米国に「自国こそが永遠なる神の約束の地である」という偽りのナショナリズムを植え付けることであった。

自己の信仰構造を絶対安全圏と錯覚させ、無傷のまま空中携挙されるという独善的な教理を反復させることによって、大衆を深刻な霊的混迷(眠り)へと誘導しているのである。

彼らが「異端」として排斥するエホバの証人やセブンスデー・アドベンチストといったセクトでさえ、患難を回避して超自然的に引き上げられるといった甘美なパラダイムは採用していない。

皮肉にも、現世の神学的リアリズムという点においては、それら辺境の思想群の方がまだ終末の患難を直視していると言える。

神の王国は「この世のものではない(ヨハネ18:36)」のであり、キリスト者は特定の国民国家の正当性を支持するのではなく、この世界における「寄留者(外国人)」として生きるよう要請されている。したがって、いかなる国家権力(聖書における『野獣』)に対しても、希望を託したり偶像崇拝的な信頼を寄せたりしてはならない。

特定の政治指導者をメシア政治の体現者として神格化する言説(陰謀論的ヒーロー崇拝など)もまた、警戒すべき欺瞞である。現世の政治権力構造は、近い将来、真のキリスト教信仰への凄惨な抑圧(弾圧)へと転じる蓋然性が極めて高い。

宇宙防衛軍の創設をはじめとする肥大化した軍事主義や、科学の客観性を装ったオカルト的軍事・宇宙開発投資は、真の人類の恩恵ではなく、ただ破壊兵器の高度化と富の独占を目的としたバビロン的魔術の一形態にすぎない。

黙示録17: 5 その額には、秘められた意味の名が記されていたが、それは、「大バビロン、みだらな女たちや、地上の忌まわしい者たちの母」という名である。

黙示録18:3 すべての国の民は、 怒りを招く彼女のみだらな行いのぶどう酒を飲み、 地上の王たちは、彼女とみだらなことをし、 地上の商人たちは、 彼女の豪勢ぜいたくによって 富を築いたからである。」11地上の商人たちは、彼女のために泣き悲しむ。もはやだれも彼らの商品を買う者がないからである。 12その商品とは、金、銀、宝石、真珠、麻の布、紫の布、絹地、赤い布、あらゆる香ばしい木と象牙細工、そして、高価な木材や、青銅、鉄、大理石などでできたあらゆる器、 13肉桂、香料、香、香油、乳香、ぶどう酒、オリーブ油、麦粉、小麦、家畜、羊、馬、馬車、奴隷、人間である。

米国は巨額の経常赤字を抱えながらも、その圧倒的な購買力をもって世界中から物資を吸収し、世界経済を牽引してきた。この消費大国の裏で実権を握る国際金融資本のトップ層やエリートネットワークこそが、この近代バビロンの隠された統治主体(イルミナティ構造)に他ならない。

歴史的な「三角貿易」の構造が証明しているように、米国という国家の本源的蓄積は、人身売買、黒人奴隷の搾取、綿花プランテーションなど、黙示録が列挙する不当な交易品目によって構築された。大西洋をまたぐ四大陸の搾取構造が、現代の米国経済の土台となっているのである。

先住民の組織的駆逐(ジェノサイド)と黒人奴隷制という歴史的罪業の上に成立したアメリカ社会は、本質的に徹底された不平等な搾取構造(近代型奴隷制)の上に機能している。

莫大な貿易赤字を垂れ流しながら世界中から物資を輸入し続けるその構造は、一国の経済規模を超えた、世界規模の富の吸い上げシステムである。

その不当な購買力がゆえに恩恵を被っていた諸外国の資本家たちは、このグローバル資本主義の中心地(アメリカ)が自壊する際、最大の利益源の喪失を悼み、「気の毒だ」と哀歌を歌うこととなる。

しかし、終末の最終局面においては、これまで米国への輸出貿易によって利得を得ていた共犯関係にある国々ですら、審判の座にある米国を救済することは不可能であると予言されている。

イザヤ47:15 呪文を若い時から労して身につけ 売り物としてきた者すら、この様だ。 彼らはおのおの勝手に迷って行き お前を救う者はひとりもいない。

バビロンの系譜:覇権国の「母体」たる大英帝国

預言者エレミヤは、大バビロンの創設者である「母なる国家」の失墜と恥辱について以下のように言及している。

エレミヤ50:12 おまえたちの母は恥をかいて顔を伏せる。 おまえたちは一番弱い国となり、 荒野となり、乾ききった砂漠となるからだ。

アメリカ合衆国の国家社会構造、法制度、そして先住民の排斥を伴う植民地拡大の直接的なルーツ(母体)は、他ならぬ大英帝国(イギリス)である。共通の言語とプロテスタント的資本主義精神を共有するこの歴史的連続性こそ、バビロンとその母の関係を明瞭に説明する。

イギリスはまさに近現代バビロンの遺伝子を供給した「母なる国家」であり、エレミヤ50章12節の記述と完全に符合する。かつて世界に君臨した英国は、将来その精神的・経済的落とし子であるアメリカ合衆国が一瞬にして(一日のうちに)崩壊する姿を目撃し、自らが犯した歴史的罪の帰結(予言の成就)を痛感し、大いなる羞恥に直面することになるだろう。

イザヤ47:1 身を低くして塵の中に座れ おとめである、娘バビロンよ。 王座を離れ、地に座れ、娘カルデアよ。 柔らかでぜいたくな娘と呼ばれることは 二度とない。

「おとめである娘バビロン」という隠喩は、独自の処女性(侵されざる神聖性)を主張して建国された新大陸のアメリカに他ならない。

黙示録18:7 彼女がおごり高ぶって、 ぜいたくに暮らしていたのと、 同じだけの苦しみと悲しみを、 彼女に与えよ。 彼女は心の中でこう言っているからである。 『わたしは、女王の座に着いており、 やもめなどではない。 決して悲しい目に遭いはしない。』

米国はニューヨーク港に「自由の女神」を掲げ、自らを不滅の「世界民主主義の女王」と規定し、いかなる没落(やもめ状態)も拒絶する自負を持っている。しかし、その象徴がバビロニア・エジプト由来のオカルト的神神(イシス等)の系譜を引いている事実は、その「キリスト教国家」という看板の背後にある異教的・世俗資本主義的な実体を露呈させている。

累積する天文学的な債務を抱えながらも、世界の基軸通貨を掌握することで「経済の女王」として君臨し続ける米国は、自らの繁栄が永続すると錯覚している。そして「教会は患難を免れて携挙される」という無責任な神学を世界中に普及させ、民衆を思想的に盲目化させている。

軍事の宇宙展開や、先端科学(NASA等)に内包された魔術的・心理誘導的なアプローチは、人々の意識を現実の神の統治から逸らすための精神的トラップとして機能している。これらは近代的な手法を用いた一種の「まじない(呪術)」のバリエーションである。

イザヤ47:9 その二つのことが 一日のうちに、瞬く間にお前に起こり 子を失いやもめとなる苦しみが すべてお前に臨む。 どれほど呪文を唱え どれほど強いまじないをしても無駄だ。

黙示録18:23 ランプの光は二度とあなたの中で輝かず,花婿と花嫁の声は二度とあなたの中で聞かれません。あなたの商人は地上で最も有力な者たちで,あなたの心霊術(ファーマキア)によって全ての国の民が惑わされました。

ここで「心霊術(魔術)」と翻訳されるギリシャ語の原典は「ファルマキア(pharmakeia)」、すなわち「医薬品・強制的な薬物投与」を意味する。米国に中枢を置く巨大製薬資本(メガ・ファーマ)による全地球的な医療利権システムと強制的な介入の現状は、まさに黙示録が警告する大バビロンの国際的心理操作(惑わし)の成就に他ならない。

米国発の文化・技術インフラ――ハリウッドの洗脳的映画産業、スピリチュアル性を摩耗させる商業音楽、過剰な快楽主義、巨大ITプラットフォーム(GAFAM、SNS、OS等)、そして世界的ファストフードチェーン――は、すべて世界中の人間を資本主義の精神的隷属状態に置くための「バビロンの魔術」の精緻なツールとして機能している。

大衆は単なる日常生活(消費活動)を営む中で、無意識のうちにこの精神的覇権システムへの従属を強いられている。さらに、米国の福音派教会の一部で見られる過激な疑似リバイバル(理性を放棄した恍惚状態や奇声をもたらす現象)は、聖霊の働きを偽装した精神的・霊的混迷の極みである。

エンターテインメントや魔術的モチーフを用いたグローバルなカルチャー戦略により、全世界が「英米覇権システム=大バビロン」の精神的・思想的支配下に置かれており、既存の教会組織さえもその資本主義の論理に侵食されているのが現状である。現代の先端情報技術(IT)や生体認証チップの技術は、堕落した知性の錬金術であり、全人類を「獣の刻印」による統制経済へと導く霊的トラップの様相を呈している。

これほどまでに明白な歴史的・構造的一致を看過することは、知的な神学の放棄に等しい。米国は終末における世界帝国の核心であり、聖書が「秘められた意味の大バビロン」と断定した対象に他ならない。

詩編137:8 娘バビロンよ、破壊者よ いかに幸いなことか お前がわたしたちにした仕打ちを お前に仕返す者

詩編、イザヤ書、そしてゼカリヤ書に一貫して登場する「娘バビロン」の呼称は、古代バビロンの死後に現れた、そのDNAを完全に継承した「未来の覇権国家(米国)」を規定する神学用語である。

ゼカリヤ2:10 急いで、北の国から逃れよと 主は言われる。 天の四方の風のように かつて、わたしはお前たちを吹き散らしたと 主は言われる。 11シオンよ、逃げ去れ バビロンの娘となって住み着いた者よ。

黙示録18:4 また,天から別の声がした。「私の民よ,彼女から出なさい。彼女の罪に関わったり,災厄に巻き込まれたりしないためである。 5 彼女の罪は積み重なって天にまで達し,神は彼女の数々の不正な行いを思い起こしたのである。 6 彼女がした仕打ちの通りに,彼女に返報しなさい。彼女が行ったことを2倍にして返すのである。彼女が混ぜて作った飲み物の杯に,2倍の量を入れて彼女に渡しなさい+。

「北の国からの脱出」というゼカリヤの警告は、将来的に北米大陸の支配システムから物理的・精神的に離脱(エクソダス)すべき緊迫した局面が到来することを示唆している。資本主義的価値観が飽和した米国から真の信仰者への苛烈な大迫害が本格化する時、預言的証言を行う「二人の証人」に象徴される残された教会の核心が、強力な聖霊の現れとともに最後の真理伝道を展開することになる。

しかし、その証言の帰結として、彼ら真のクリスチャンたちは現世の覇権権力によって殉教の運命を迎えることとなる。

黙示録11:7 二人がその証しを終えると、一匹の獣が、底なしの淵から上って来て彼らと戦って勝ち、二人を殺してしまう。 8彼らの死体は、たとえてソドムとかエジプトとか呼ばれる大きな都の大通りに取り残される。この二人の証人の主も、その都で十字架につけられたのである

これら「二人の証人」は、比喩的な意味での「エジプト(比類なき軍事・経済大国)」であり、同時に「ソドム(道徳的退廃と格差社会の極致)」である米国の統治空間において抹殺される。米国は最終的に、キリスト教の仮面を完全に剥ぎ取られた超独裁国家へと変貌を遂げる。

情報科学による地球規模の心理操作、人工的な環境・気象への軍事的介入、ハリウッドとポルノグラフィを用いた人類の倫理的解体、さらに進化論的唯物論の普及による無神論化は、すべて全人類をバビロンの支配下に置くための組織的プログラムの成果である。

全世界はこの米国の高度な「バビロン・システム」に同化されており、日本を含む従属国は完全にその植民地(属国)として精神的・経済的に搾取され、中枢の自壊に先んじて構造崩壊の危機に瀕している。

さらに、大バビロンは黙示録17章9節において「七つの山」の上に座す記述がある。「七」が聖書における絶対的完全数であることを考慮すれば、これは特定の地域(ローマの七つの丘など)に限定されるものではなく、全地球(主要な七大州)のすべてを網羅した資本主義的支配構造を構築している現実の写し鏡である。

大バビロンの及ぼす負の精神的影響力は、すでに地球上のすべての全大陸・全領域を包摂しているのである。

ダニエル書が示す英米の国章と審判の構図


ダニエル7:4 第一の獣はライオンのようで、わしの翼をつけています。見ていると、その翼はもぎ取られ、もはや飛べなくなり、人間のように地上に二本足で立ち、人間の心が与えられました。

近代国家の紋章において、米国のナショナル・シンボルは「白頭鷲」であり、イギリスの伝統的シンボルは「ライオン」である。ダニエル書が描く「鷲の翼を付されたライオン」という合成獣は、地政学的な「英米一体の覇権同盟」の完璧な象徴に他ならない。翼がもぎ取られるという描写は、アメリカ合衆国の先行的な崩壊を予告しており、母体であるイギリス本体は何らかの形でその衝撃を生き延びる構造を示唆している。

黙示録によれば、これまで大娼婦(大バビロン=米国資本主義)の恩恵に浴し、その利権を共有していたはずの国際的な諸国家連合(多国籍野獣システム)は、最終的に神の超自然的な意思決定の介入によって、この大娼婦を激しく憎悪し、解体へと向かう衝動を植え付けられることとなる。

黙示録17:17 神が,ご自分の考えを彼らの心に入れて実行させたからです。神の言葉が成し遂げられるまで,彼らが自分たちの王国を野獣に与えて,自分たちの1つの考えを実行するようにしたのです。

このプロセスの結果、現行のドル体制を憎悪する諸国家の権力ブロックは米国を急進的に打倒し、名実ともに反キリスト的なグローバル全体主義秩序(新世界秩序=NWO)を確立させるに到る。この世界統治機構は、かつてアメリカを生み出した母体である英国の主権をも完全にその支配下に統合し、現代のバビロン・システムを地上から完全に消滅させるだろう。

これをもって世界経済および国際秩序は修復不可能な終末の破局へと突き進み、その混沌の極みにおいてキリストの物理的再臨(パルーシア)の秒読みが開始される。アメリカの崩壊はグローバル経済のドミノ倒しを誘発し、残された信仰者の群れ(大群衆)に対する反キリスト勢力およびマゴグのゴグによる最後の軍事侵攻が試みられるが、再臨のキリストの絶対的権能によってそれらは一掃される。これが神学における「ハルマゲドンの戦い」の最終決戦であり、すべては大バビロンの解体から連鎖的に終結へ向かう(黙示録7:12,16-17)。

米国内で秘密裏に構築されているとされる強制収容インフラ(FEMAキャンプ等)や不穏な有事管理体制の存在は、リベラル民主主義の仮面が剥がれ落ち、専制的な管理社会へと移行する前兆(マテリアルな兆候)である。これらの軍事警察国家への変貌は、まさに「鷲の翼」を有する英米覇権の中枢たる米国において成就しつつある。

米国のディスペンセーション主義者が主張するような「外部の異教徒や特定の血統的ユダヤ人のみが迫害の対象になる」という言説は虚構である。むしろ、キリスト教精神を最も標榜しながら、その実体において全地球を資本の論理で汚染した「アメリカ合衆国」こそが、大バビロンの歴史的起源であり、その審判の中心地なのである。

マタイ23:34 だから、わたしは預言者、知者、学者をあなたたちに遣わすが、あなたたちはその中のある者を殺し、十字架につけ、ある者を会堂で鞭打ち、町から町へと追い回して迫害する。 35こうして、正しい人アベルの血から、あなたたちが聖所と祭壇の間で殺したバラキアの子ゼカルヤの血に至るまで、地上に流された正しい人の血はすべて、あなたたちにふりかかってくる。 36はっきり言っておく。これらのことの結果はすべて、今の時代の者たちにふりかかってくる。」

神の公義は、歴史を通じて流された無辜の血の罪を決して見過ごすことはない。ピューリタンの末裔たるアングロサクソン勢力が新大陸において先住民を虐殺し、黒人を酷使し、近現代においては軍事介入と軍需資本のインフレによって世界中に多大な犠牲者を生み出してきた累積的罪科は、必ず総清算されることとなる。歴史の終局において、米国は真の信仰者を抑圧する最大の主体へと転落し、神の怒りの器としての清算を免れ得ない。

黙示録18:24 預言者たちと聖なる者たちの血、地上で殺されたすべての者の血が、この都で流されたからである。」

かつてイギリスから「信仰の自由」を求めて新天地(約束の地)へと渡ったピューリタンの開拓史は、その裏面において先住民のジェノサイドという「地上で殺されたすべての者の血」の罪を自らの構造に深く刻み込んだ。さらに、製薬資本を用いた医療帝国主義(ファルマキア)による非人道的な人口統制や国際的介入が暴走する時、この罪の清算は不可避の審判として執行される。

神の属性としての愛は個々の米国人を排除するものではないが、同国の有する国家システム(超資本主義・世俗帝国)の構造そのものは、聖書が憎悪する大バビロンの本質そのものである。来るべき大患難の時代において、神の真の民は超自然的な摂理によって保護される一方、天的な至高の召しを全うすべき選びの器たちは、キリストの十字架の死のパターンを自らの殉教によって再現し、第一の復活(栄光化)へとあずかることとなるだろう。

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